【Parsec】Mac→WindowsでIME切り替えを快適にする方法
こんにちは。Kalsarikannintのフロントエンド担当・daiです。
MacからParsecを使ってWindowsにリモートアクセスして作業する機会が増えてきたのですが、地味にストレスだったのが日本語入力の切り替えなんですよね。
Macには「全角/半角」キーが存在しないので、リモート先のWindowsでIMEのON/OFFを一発で切り替えることができません。ドキュメント作成やコーディングなど、日本語と英語を頻繁に切り替える作業では、この小さな不便が積み重なって大きなストレスになっていました。
そこで今回は、Karabiner-ElementsとGoogle日本語入力を組み合わせて、Mac側の「英数」「かな」キーでリモート先WindowsのIMEを快適に操作できるようにする方法を紹介します。同じ悩みを抱えている方の参考になれば幸いです。
解決方針の全体像
今回の設定は、以下の流れでキー入力を変換していきます:
Mac: 英数/かなキー → Karabiner-Elementsで変換 → F15/F16キー
↓
Parsec経由で送信
↓
Windows: F15/F16キーを受信 → Google日本語入力で変換 → IME ON/OFF
ポイントは、Parsec使用時のみキー変換を有効にすることで、通常のMac操作に影響を与えない点ですね。これで日頃のMacの使い勝手は変わらず、Parsec接続時だけIME切り替えが快適になります。
Mac側の設定手順
1. Karabiner-Elementsのインストール
まずはKarabiner-Elements公式サイトから最新版をダウンロードしてインストールします。Karabiner-Elementsは、macOSのキーボード入力をカスタマイズできる強力なツールです。
2. 設定ファイルの作成
次に、以下のJSON設定ファイルを作成します。このファイルは、Parsec使用時のみ「英数」キーを「F15」に、「かな」キーを「F16」に変換する設定になっています。
{
"title": "Parsec日本語入力",
"rules": [
{
"description": "英数/かなキーをF15/F16に変換する",
"manipulators": [
{
"type": "basic",
"from": {
"key_code": "japanese_eisuu"
},
"to": [
{
"key_code": "f15"
}
],
"conditions": [
{
"type": "frontmost_application_if",
"bundle_identifiers": [
"^tv\\.parsec\\.www$"
]
}
],
"description": "英数 -> F15"
},
{
"type": "basic",
"from": {
"key_code": "japanese_kana"
},
"to": [
{
"key_code": "f16"
}
],
"conditions": [
{
"type": "frontmost_application_if",
"bundle_identifiers": [
"^tv\\.parsec\\.www$"
]
}
],
"description": "かな -> F16"
}
]
}
]
}
conditionsの中にあるbundle_identifiersで、Parsecアプリケーションが最前面にある時だけ動作するように制限しています。この設定のおかげで、通常のMac操作では従来通り「英数」「かな」キーが機能するわけですね。
3. 設定ファイルの配置
作成したJSONファイルをparsec_ime.jsonなどの名前で保存し、以下のディレクトリに配置します:
~/.config/karabiner/assets/complex_modifications/
4. 設定の有効化
- Karabiner-Elementsを起動
- Complex Modificationsタブを開く
- Add predefined ruleボタンをクリック
- 先ほど作成した「Parsec日本語入力」のルールが表示されるので、各項目のEnableボタンをクリック
これでMac側の設定は完了です。
Windows側の設定手順
続いて、リモート先のWindows側でGoogle日本語入力の設定を行います。
1. Google日本語入力のインストール
Google日本語入力をダウンロードしてインストールします。
2. プロパティを開く
タスクトレイにある「あ」または「A」のアイコンを右クリックし、プロパティを選択します。
3. キー設定のカスタマイズ
- 一般タブを開く
- 「キー設定」の項目から、キー設定の選択横の編集ボタンをクリック
- 右下の編集メニューからエントリーを追加を選択
4. F15/F16キーへのコマンド割り当て
以下の2つのエントリーを追加します:
| 入力キー | 入力文字なし | 変換前入力中 | 変換中 | コマンド |
|---|---|---|---|---|
| F15 | IMEを有効化 | IMEを有効化 | IMEを有効化 | IMEを有効化 |
| F16 | IMEを無効化 | IMEを無効化 | IMEを無効化 | IMEを無効化 |
各状態(入力文字なし、変換前入力中、変換中)すべてに同じコマンドを設定するのがポイントです。これにより、どの入力状態でも確実にIMEの切り替えができるようになります。
設定が完了したらOKボタンを押して保存します。
ファンクションキーの選択について
本記事ではF15/F16キーを使用していますが、実は最初からこのキーに決めていたわけではないんですよね。
試行錯誤の中で分かったのですが:
- F13: Pauseキーとして認識されてしまい、うまく動作しませんでした
- F20: こちらも正しく認識されず
結果的にF15/F16が安定して動作したため、この組み合わせを採用しています。もし環境によってうまく動作しない場合は、F15〜F19の範囲で動作するキーを探してみるといいかもしれません。
実際に使ってみた感想
この設定を導入してから、リモート作業時のストレスが大幅に軽減されました。
特にコーディング作業では、変数名やコメントを書く際に日英の切り替えが頻繁に発生するのですが、Mac本体で作業している時と同じ感覚でIMEを切り替えられるのは本当に快適です。
設定のポイントをまとめると:
- Parsec使用時のみ動作するため、通常のMac操作に影響なし
- 一度設定すれば、以降は意識せず快適に作業可能
- Google日本語入力以外のIMEでも、同様の方法でカスタマイズ可能(Microsoft IMEなどでもキー設定のカスタマイズができます)
まとめ
ParsecでMac⇔Windows間のリモート作業を頻繁に行う方は、ぜひ試してみてください。作業効率が大きく改善されるはずです。
設定自体は10分程度で完了しますし、一度設定してしまえば以降はずっと快適に使えます。小さな改善ですが、毎日の作業が少しでもスムーズになれば幸いです。
もし設定でつまずいた点や、他にも便利な設定方法があれば、ぜひ教えてください!
